【プロが解説】イベントで使える補助金とは?採択率を上げる申請のコツと探し方
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イベントを開催する際、資金面の負担を軽減する方法の一つが「補助金」の活用です。補助金は国や自治体が特定の目的を支援するために提供するもので、返済不要な点が大きな魅力です。しかし、似た制度として「助成金」もあり、違いを正しく理解することが重要です。本記事では、イベントの補助金の基本的な仕組みや助成金との違い、活用するメリット・デメリットについて詳しく解説します。補助金の活用を検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

監修 管理本部 部長 石橋和将
イベントの企画から運営まで一貫して指揮を執り、幅広いジャンル・規模の案件に対応してきました。これまでに、国際フォーラムや業界展示会、企業向けセミナー、地域振興イベントなど、多様なイベントの統括・運営を担当。大規模なカンファレンスや就職イベント、スポーツ関連プロジェクトなどの進行管理にも豊富な経験を持ちます。
目次
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「予算が足りない…」イベント担当者の悩みは補助金で解決できる?
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そもそもイベントで使える「補助金」とは?
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・補助金とは?
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・<strong>補助金と助成金の違い</strong>
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イベント担当者必見!補助金の探し方と活用事例
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・プロはこう探す!補助金情報の探し方
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・<strong>こんなイベントに使える!補助金活用シーン具体例</strong>
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補助金を活用するメリット・デメリット【プロの視点】
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・メリット
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・デメリットと対策
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【採択率アップ!】補助金申請から受給までの5ステップと成功のコツ
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・Step1:情報収集・公募要領の熟読
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・Step2:事業計画書の作成【最重要】
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・Step3:申請・提出
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・Step4:採択・交付決定 〜 イベント実施
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・Step5:実績報告・精算
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まとめ:補助金活用はプロに相談!REIGETSUがワンストップで支援します
「予算が足りない…」イベント担当者の悩みは補助金で解決できる?
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「もっと魅力的なイベントにしたいけれど、予算が限られている…」 「新しい集客施策を試したいが、資金的なリスクが大きい…」
企業のイベントご担当者様であれば、一度はこのような資金面の課題に直面したことがあるのではないでしょうか。
その課題を解決する強力な手段が、国や自治体が提供する「補助金」の活用です。補助金は返済不要の資金であるため、うまく活用すれば、予算の制約を乗り越え、より効果的で質の高いイベントを実現できます。
しかし、「申請が難しそう」「どんな補助金があるかわからない」といった理由で、活用をためらっている方も少なくありません。
そこで本記事では、数々のイベント制作に携わってきた株式会社REIGETSUが、イベント担当者様が補助金を活用し、イベントを成功に導くための実践的なノウハウを、具体的な手順や例文を交えて徹底的に解説します。
そもそもイベントで使える「補助金」とは?
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まずは、補助金の基本的な知識と、よく混同される「助成金」との違いを明確にしておきましょう。
補助金とは?
補助金とは、国や地方公共団体が、政策目標(地域活性化、産業振興、文化振興など)に合致する事業を支援するために支給する、返済不要の資金です。
重要なのは、あくまで「政策目標の達成」が目的であるため、公募期間内に申請し、審査を通過する必要があるという点です。予算や採択件数があらかじめ決まっており、人気の補助金では採択率が10%を切ることもあります。
イベントで活用する場合、単に「資金が欲しい」というだけでは採択されません。「自社のイベントが、その補助金の目的にどう貢献できるのか」を明確に示す事業計画が不可欠です。
補助金と助成金の違い
【補助金と助成金の決定的な違い】
どちらも返済不要の資金ですが、その性格は全く異なります。イベント企画で主に活用するのはどちらなのか、それぞれの特徴から理解を深めましょう。
【補助金は「事業の成長」を後押しする投資】
補助金は、ひと言でいえば「国の政策目標に合った、将来性のある事業への投資」です。そのため、申請するイベントが「いかに社会や経済へ良い影響を与えるか」をアピールする必要があります。
- 目的: 新事業の創出、地域活性化、DX推進、インバウンド誘致など、産業や経済の発展に貢献することが求められます。
- 難易度: 公募制で、提出された事業計画書をもとに審査が行われます。予算や採択件数に限りがあるため、人気の補助金は競争率が高く、不採択となることも珍しくありません。
- ポイント: 管轄は経済産業省や地方公共団体が多く、原則として事業実施後の「後払い」で、金額は比較的高額になる傾向があります。
【助成金は「雇用の安定」を支える制度】
一方、助成金は「働きやすい環境づくりをサポートする制度」と考えると分かりやすいでしょう。こちらは事業の成長性より、制度の要件を満たしているかが重要です。
- 目的: 雇用の維持、非正規社員の正社員化、従業員のスキルアップ、育児・介護休業の導入促進など、労働環境の改善が主な目的です。
- 難易度: 法律で定められた要件を満たし、正しく申請すれば、原則として受給できます。
- ポイント: 管轄は厚生労働省が多く、財源は雇用保険料です。
このように、企業の認知度向上や地域活性化を目的としたイベントで活用するのは、主に「補助金」となります。
イベント担当者必見!補助金の探し方と活用事例
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「自社のイベントに合う補助金がどこにあるのか分からない」という声は非常に多く聞かれます。ここでは、プロが実践している具体的な探し方と、活用シーンの例をご紹介します。
プロはこう探す!補助金情報の探し方
やみくもに探すのではなく、以下のサイトを定期的にチェックするのが効率的です。
- J-Net21(ジェイネット21) 中小企業基盤整備機構が運営する、国内最大級の経営情報サイトです。国や都道府県の補助金情報が集約されており、「キーワード」や「対象地域」で検索できます。まずはここから調べるのが王道です。
検索キーワード例: 「イベント」「展示会」「地域活性化」「インバウンド」
- ミラサポplus 中小企業庁が運営するサイトで、国の補助金を中心に探すことができます。専門家派遣などの支援も行っています。
- 各省庁・地方自治体のウェブサイト 開催地が決まっている場合、その都道府県や市区町村のウェブサイトを直接確認するのが最も確実です。「〇〇市 補助金 イベント」のように検索してみましょう。文化庁や観光庁のサイトも、大規模イベント向けの補助金情報が見つかることがあります。
こんなイベントに使える!補助金活用シーン具体例
- こんなイベントに使える!補助金活用シーン具体例
補助金は、様々な種類のイベントで活用できます。ここでは具体的なイベントのケースごとに、活用できる可能性のある補助金と、申請時にアピールすべきポイントの例をご紹介します。
- ケース1:新商品のプロモーションイベント・展示会出展
新製品や新サービスの販路開拓を目的とする場合、「小規模事業者持続化補助金」などが活用できる可能性があります。これは、小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する、非常に人気の高い補助金です。
アピールポイントの例: 単に「製品をPRしたい」ではなく、「本イベントを通じて新たな顧客層を獲得し、売上向上によって地域の雇用を創出することで、地域経済の活性化に貢献する」といった、より広い視野でのストーリーを事業計画に盛り込むことが採択の鍵となります。
- ケース2:地域の特産品をPRするお祭り・マルシェ
地域活性化を目的としたイベントでは、各自治体が独自に設けている「地方創生関連の補助金」が主な対象です。「〇〇市 にぎわい創出事業補助金」のように、具体的な名称で募集されていることが多いので、開催地のウェブサイトをチェックしてみましょう。
アピールポイントの例: 「イベントを一過性で終わらせず、地域の特産品を使った新メニュー開発やECサイトでの販売を組み合わせることで、関係人口・交流人口の増加だけでなく、持続的な地域内消費の促進を目指す」など、将来への波及効果を示せると評価が高まります。
ケース3:伝統文化やアートに関するイベント
文化振興を目的とする場合は、文化庁の「ARTS for the future!」に代表される文化芸術振興費補助金などが考えられます。
アピールポイントの例: 「伝統文化の新たな魅力を発信し、若者や海外からの観光客に関心を持ってもらうことで、文化の継承と次世代の担い手育成に繋げる」といった、社会的な意義や課題解決への貢献を強調することが重要です。
- ケース4:海外からの参加者も見込む国際会議(MICE)
大規模な国際会議や学会(MICE)を誘致・開催する際は、観光庁や各都市のコンベンション・ビューローが提供する補助金が利用できる場合があります。
アピールポイントの例: 「会議開催による宿泊・飲食などの直接的な経済効果に加え、日本の先進技術や研究成果を世界に発信する絶好の機会となり、開催都市の国際的なプレゼンス向上に貢献する」といった大局的な視点が求められます。
補助金を活用するメリット・デメリット【プロの視点】
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補助金は万能ではありません。メリットを最大化し、デメリットを回避するためにも、両側面を正しく理解しておきましょう。
メリット
- 返済不要の資金で挑戦の幅が広がる 最大のメリットは、融資と違って返済義務がないことです。これにより、通常予算では難しかったゲストの招聘、最新機材の導入、大規模なプロモーションなどが可能になり、イベントの価値を飛躍的に高めることができます。
- 事業計画の質が向上し、イベントの成功率が高まる 補助金の申請プロセスは、自社のイベントを客観的に見つめ直す絶好の機会です。「誰に、何を、どのように伝え、どんな成果を生むのか?」を審査員に分かりやすく説明する必要があるため、コンセプトやターゲット、費用対効果が研ぎ澄まされます。この過程で作成した質の高い事業計画書は、イベントを成功に導く羅針盤となります。
- 企業の社会的信用度が向上する 国の審査を通過して補助金に採択されたという事実は、「社会的に意義のある事業を行う企業」としての客観的な評価につながります。金融機関からの融資や、他企業とのアライアンスにおいても、有利に働く可能性があります。
デメリットと対策
- 必ず採択されるとは限らない 要件を満たしていても、事業計画の魅力や独自性が乏しいと判断されれば不採択となります。
- 対策: 複数の補助金に同時に申請する、あるいは補助金がなくても実施できる最低限の計画(Plan B)を用意しておくなど、リスクヘッジが重要です。
- 原則「後払い」のため、一時的な資金繰りが必要 補助金は、イベントが終了し、経費の支払いを証明する実績報告書を提出した後に振り込まれるのが一般的です。つまり、イベント開催にかかる費用は、一度自社で立て替える必要があります。
- 対策: 自己資金を確保しておくか、金融機関の「つなぎ融資」などを検討する必要があります。資金計画は入念に立てましょう。
- 情報収集から報告まで、膨大な手間と時間がかかる 公募情報のチェック、事業計画書の作成、採択後の各種手続き、イベント実施中の経費管理(領収書の整理など)、そして実績報告書の作成と、担当者には大きな負担がかかります。
- 対策: 通常業務と並行して進めるのが難しい場合は、申請サポートや事務局業務を代行してくれる専門家(イベント制作会社など)に相談するのも有効な選択肢です。
【採択率アップ!】補助金申請から受給までの5ステップと成功のコツ
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ここでは、申請から受給までの流れを5つのステップに分け、各段階で採択率を上げるためのプロのコツを解説します。
Step1:情報収集・公募要領の熟読
- いつ?:補助金は常に公募されているわけではありません。多くの補助金は年に1〜数回、1ヶ月程度の短い期間で募集されます。気になる補助金は、前年度の公募時期を参考に、春先などからアンテナを張っておきましょう。
- 何を?:公募が開始されたら、「公募要領」を隅々まで読み込んでください。補助金の目的、対象者、対象経費、審査基準など、すべての答えがそこに書かれています。特に「審査項目」や「加点項目」は、事業計画書を作成する上での最重要ポイントです。
Step2:事業計画書の作成【最重要】
審査員は、あなたの会社のことを全く知りません。その前提で、「この事業に税金を投入する価値がある」と納得させるストーリーを構築する必要があります。
▼審査員に響く3つのポイント
- 共感できる「ストーリー」:なぜこのイベントをやるのか?(背景・課題)、イベントで何を成し遂げるのか?(目的・目標)、どうやって実現するのか?(具体的な手法)を、一貫した物語として語ります。
- 社会への「貢献性」:このイベントが、補助金の目的(地域活性化、文化振興など)にどう貢献するのかを具体的に示します。「多くの来場者が見込まれる」だけでなく、「イベントを通じて地域店舗の売上が〇%向上する」「伝統文化の担い手が増えるきっかけになる」など、波及効果まで言及できると理想的です。
- 納得感のある「費用対効果」:申請する補助金額が、事業内容や期待される効果に対して妥当であることを、具体的な積算根拠とともに示します。見積書などを添付し、計画の実現可能性をアピールしましょう。
【すぐに使える例文】事業計画書の書き方
1. 事業の目的
- (悪い例):新製品の認知度を上げるためにPRイベントを実施する。
- (良い例):弊社の新製品〇〇(健康志向の食品)のプロモーションイベントを通じて、コロナ禍で高まった地域の健康意識をさらに促進し、住民のQOL向上に貢献する。本事業は、〇〇市が推進する「健康長寿のまちづくり計画」にも合致するものである。
2. 目標(成果)
- (悪い例):イベントを成功させる。
- (良い例):以下の定量的な目標を達成する。
- イベント来場者数:2日間で1,000人
- 製品サンプルの配布数:800個
- 来場者アンケートでの満足度評価:5段階中4.0以上
- 地元メディアへの掲載数:3件以上
Step3:申請・提出
- 近年、「GビズIDプライム」という電子申請システムのアカウント取得が必須の補助金が増えています。アカウント発行には2〜3週間かかる場合があるため、公募開始前から準備しておきましょう。
- 提出前には、誤字脱字はもちろん、添付書類に漏れがないかを複数人でダブルチェックすることが、ケアレスミスを防ぐ鉄則です。
Step4:採択・交付決定 〜 イベント実施
- 採択が決定すると「交付決定通知書」が届きます。この通知日以降に発生した経費でないと、補助対象にならないケースがほとんどです。発注や契約のタイミングには細心の注意を払いましょう。
- 補助金に関わる経費は、他の事業の経費と明確に区別して管理する必要があります。専用の銀行口座を開設したり、会計ソフトで専用のタグを付けたりすると、後の報告書作成が格段に楽になります。
Step5:実績報告・精算
- イベント終了後、定められた期間内に「実績報告書」と「経費の証拠書類(見積書・発注書・納品書・請求書・領収書など)」を提出します。
- 証拠書類が一つでも欠けると、その経費は補助対象外と見なされる可能性があります。イベント期間中から、写真を撮る(会場の様子、機材など)、領収書を確実に保管するなど、徹底した管理が求められます。
- 実績報告書が承認されると、補助金額が確定し、指定口座に振り込まれます。これで一連の流れは完了です。
まとめ:補助金活用はプロに相談!REIGETSUがワンストップで支援します
本記事では、イベント担当者様が補助金を活用するための実践的なノウハウをご紹介しました。
補助金は、イベントの可能性を大きく広げる強力なツールです。返済不要の資金を得られるだけでなく、質の高い事業計画を練り上げる過程は、必ずやイベント本体の成功確率を高めてくれるでしょう。
しかし、数ある補助金の中から最適なものを見つけ出し、通常業務と並行して、複雑で時間のかかる申請書類を作成するのは、ご担当者様にとって大きな負担であることも事実です。
- 「自社のイベントに使える補助金が分からない…」
- 「事業計画書の書き方に自信がない…」
- 「採択後の事務手続きや経費管理が煩雑で手が回らない…」
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、イベント制作のプロである私たち株式会社REIGETSUにご相談ください。
REIGETSUでは、イベントの企画・制作・運営はもちろんのこと、お客様のイベントに最適な補助金のご提案から、採択の可能性を高める事業計画書の作成支援、採択後の煩雑な事務局業務のサポートまで、ワンストップで対応しております。
補助金という追い風を活用し、お客様のイベントを成功に導くパートナーとして、企画から実行まで伴走いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。


ライター Kanaho
新卒で銀行に就職。退職後はWebライターとして活動。執筆ジャンルは金融、旅行、グルメなど。