アーカイブ配信とは?ライブ配信との違いとメリット・デメリット

オンラインイベントやウェビナーの増加に伴い、アーカイブ配信の重要性が高まっています。アーカイブ配信とは、ライブ配信の録画を編集し、後から視聴可能にする方法です。 アーカイブ配信を活用することで、臨場感と利便性を兼ね備え、視聴者満足度を向上させながら企業の情報発信力を強化できます。本記事では、アーカイブ配信の特徴やメリット、実施方法を解説します。

監修 執行役員 新井寿光
REIGETSU執行役員。2008年にアーティストとしてメジャーデビューした経験があり、ステージの演出を得意としています。進行・運営ディレクターとしても豊富な経験を持ち、これまで大小さまざまなイベントを手がけてきました。進行ディレクターとしては、テクノロジーカンファレンスや大手企業の入社式、官公庁のシンポジウムなどで舞台監督を兼務。業界アワードや医療セミナーの進行も担当。運営ディレクターとしては、就職イベント、企業研修、展示会ブース運営などに携わり、数十名規模のセミナーから大規模エキスポまで幅広い運営を支えています。
目次
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アーカイブ配信とは〜定義と特徴〜
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・アーカイブ配信の定義
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・ライブ配信・オンデマンド配信との違い
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・アーカイブ配信の活用シーン
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アーカイブ配信のメリット
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・時間や場所に制約されない視聴
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・繰り返し視聴による理解度の向上
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・新規顧客獲得の機会拡大
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・編集による内容の最適化
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アーカイブ配信のデメリットと注意点
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・リアルタイムのコミュニケーション不足
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・視聴離脱率の高さ
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・ライブ配信の価値低下の可能性
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・編集による公開までのタイムラグ
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効果的なアーカイブ配信の実施方法
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・ライブ配信との使い分け
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・ターゲットに合わせた編集と公開
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・視聴者の行動喚起につなげる工夫
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アーカイブ配信を活用したイベントの効果を最大化するために
アーカイブ配信とは〜定義と特徴〜
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アーカイブ配信の定義
アーカイブ配信とはライブ配信された映像を録画し、後から視聴できるようにする配信方法のことを指します。
リアルタイムで配信されたコンテンツを、視聴者が好きな時間に、好きな場所で視聴することができるのが大きな特徴です。
ライブ配信・オンデマンド配信との違い
ライブ配信がリアルタイムで映像を配信するのに対して、アーカイブ配信はライブ配信された映像を録画し、後から視聴できるようにします。一方オンデマンド配信は、予め収録された映像を視聴者が好きな時間に視聴できる配信方法です。
よって、アーカイブ配信はライブ配信の臨場感と、オンデマンド配信の利便性の両方を兼ね備えているといえるでしょう。
アーカイブ配信の活用シーン
アーカイブ配信は様々なシーンで活用されています。
例えば、
- セミナーやイベントの録画配信
- 会社説明会や株主総会の事後配信
- 製品発表会のダイジェスト版配信
- オンライン講座の復習用教材としての配信
など、ライブ配信の内容をより多くの人に届けるために利用されています。
またライブ配信を見逃した人や、もう一度見直したい人のために配信を用意することで、視聴者の満足度を高めることができます。
アーカイブ配信のメリット

時間や場所に制約されない視聴
アーカイブ配信の大きなメリットは、視聴者が自分の都合に合わせて、好きな時間、好きな場所で視聴できることです。ライブ配信では配信時間に合わせて視聴しなければなりませんが、アーカイブ配信なら仕事や家事などで忙しい人でも、空いた時間を活用して視聴することが可能になります。
また通勤・通学中や休憩時間など、ちょっとした隙間時間を使って視聴できるのも大きな魅力です。
繰り返し視聴による理解度の向上
アーカイブ配信では、視聴者は何度でも繰り返し視聴することができます。
例えばセミナーや講座の内容を深く理解したい場合、一度では理解しきれなかった部分を繰り返し視聴することで、理解度を高めることが可能です。
さらに字幕や説明資料などを追加することで、より深い理解につなげることもできます。
新規顧客獲得の機会拡大
アーカイブ配信を活用することで、ライブ配信では届けられなかった潜在顧客に対して、コンテンツを届けることもできます。活用例としては、商品説明会のアーカイブ配信をSNSやWebサイトで公開することで、より多くの人に商品の魅力を伝えることも可能です。
アーカイブ配信を複数のプラットフォームで公開することで、新規顧客獲得の機会を拡大することができるでしょう。
編集による内容の最適化
ライブ配信の録画映像を編集することで、より視聴しやすく、わかりやすい内容に仕上げることができます。
例えば以下のように編集します。
- 不要な部分をカットする
- 重要なポイントにテロップを入れる
- 章立てを追加する
このような編集を行い、視聴者にとって価値の高い内容に編集することで、視聴者の満足度を高めることができます。
また配信時間が長くなってしまったライブ配信も、アーカイブ配信ではダイジェスト版に編集することで、より多くの人に視聴してもらうことができるでしょう。
アーカイブ配信のデメリットと注意点

アーカイブ配信にはメリットが多くありますが、一方でデメリットや注意点も存在します。
リアルタイムのコミュニケーション不足
アーカイブ配信では、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取ることができません。ライブ配信では視聴者からの質問やコメントに即座に反応することができますが、アーカイブ配信ではそのようなインタラクションが難しくなります。
そのため視聴者とのエンゲージメントを高めたい場合は、別途コミュニケーションの手段を用意する必要があるでしょう。
視聴離脱率の高さ
視聴者がいつでも視聴を中断できてしまうため、視聴離脱率が高くなる傾向があります。特に配信時間が長い場合、視聴者が最後まで視聴してくれない可能性が高くなります。
視聴離脱率を下げるためには、以下のような工夫が必要です。
- 適度な長さに編集する
- 内容を章立てし、見出しをつける
- 重要なポイントを強調する
など、視聴者が飽きずに最後まで視聴できるような工夫が求められます。
ライブ配信の価値低下の可能性
アーカイブ配信を行うことで、ライブ配信の価値が下がってしまう可能性があります。
例えばライブ配信の視聴者が「後でアーカイブを見ればいい」と考え、ライブ配信を視聴しなくなってしまうかもしれません。
ライブ配信の価値を維持するためには、以下のような工夫が必要となります。
- ライブ配信限定の特典を用意する
- アーカイブ配信は一定期間後に公開する
- ライブ配信とアーカイブ配信の内容を差別化する
これらのように、ライブ配信ならではの魅力を打ち出すことが重要です。
編集による公開までのタイムラグ
アーカイブ配信では、ライブ配信の録画映像を編集し、公開するまでに時間がかかってしまう場合があります。特に長時間のライブ配信を編集する場合、編集作業に時間を要するため、タイムリーに公開することが難しくなります。
また公開までに時間がかかることで、視聴者の関心が薄れてしまう可能性もあります。
タイムラグを最小限に抑えるための工夫には、以下のようなものがあげられます。
- 編集作業を効率化する
- 公開スケジュールを事前に告知する
- 編集作業と並行して、ダイジェスト版を先行公開する
視聴者の関心を維持しつつ、できるだけ早く公開できるような体制を整えることが重要です。
以上のようなデメリットや注意点を踏まえつつ、アーカイブ配信を活用することで、より多くの視聴者に価値ある情報を届けることができるでしょう。
効果的なアーカイブ配信の実施方法

アーカイブ配信を効果的に活用するためには、いくつかの実施方法を押さえておく必要があります。
ライブ配信との使い分け
アーカイブ配信を活用する際は、ライブ配信との使い分けを意識することが重要です。
リアルタイムのコミュニケーションが重要な場合や、臨場感が求められる場合は、ライブ配信を選択しましょう。一方より多くの視聴者に情報を届けたい場合や、視聴者の利便性を重視する場合は、アーカイブ配信を選択するのが効果的です。
ライブ配信とアーカイブ配信を組み合わせることで、より多くの視聴者にリーチすることも可能です。
ターゲットに合わせた編集と公開
ターゲットに合わせた編集と公開が重要になります。視聴者の属性や関心事を考慮し、最適な内容に編集することが求められます。
- 初心者向けには、わかりやすい解説を追加する
- 専門家向けには、より深い内容を盛り込む
- 時間に制約がある人向けには、ダイジェスト版を用意する
などターゲットに合わせた編集を行うことで、視聴者の満足度を高めることができるでしょう。
そして公開の際は、ターゲットが利用するプラットフォームを選択することも重要です。SNSやWebサイトなど、ターゲットが頻繁に利用するチャネルで公開することで、より多くの視聴者にリーチすることができます。
視聴者の行動喚起につなげる工夫
アーカイブ配信では、以下のような視聴者の行動喚起につなげる工夫も必要です。
- 視聴者に質問を投げかける
- 視聴者参加型のアンケートを実施する
- 関連する商品やサービスを紹介する
視聴者とのエンゲージメントを高める施策を盛り込むことで、視聴者の行動喚起につなげることができます。
またアーカイブ配信の最後に、次のアクションを明確に提示することも効果的です。
例えば、
- 商品の購入を促す
- イベントへの参加を呼びかける
- 資料のダウンロードを案内する
など視聴者が次に取るべきアクションを明確にすることで、具体的な行動につなげることができるでしょう。
アーカイブ配信はライブ配信とは異なる特性を持っています。その特性を理解し、ターゲットに合わせた編集と公開、視聴者の行動喚起につなげる工夫を行うことで、より効果的なアーカイブ配信を実施することができます。
アーカイブ配信を活用したイベントの効果を最大化するために
アーカイブ配信は、ライブ配信の録画を編集・公開し、視聴者が好きな時間に視聴できる配信方法です。セミナーやイベントの事後配信、オンライン講座の復習用教材など、幅広いシーンで活用されています。
時間や場所にとらわれず視聴できる利便性や、繰り返し視聴による理解度の向上、新規顧客獲得の機会拡大といったメリットが特徴です。一方で、リアルタイムのコミュニケーション不足や視聴離脱率の高さ、編集や公開までの手間といったデメリットもあります。
効果的にアーカイブ配信を活用するには、ターゲットに合わせた編集や公開方法の工夫、視聴者の行動を促す仕組みづくりが重要です。また、ライブ配信と戦略的に組み合わせることで、視聴者の満足度とエンゲージメントを高め、イベントの効果を最大化できます。
配信プラットフォームの選定や編集作業、公開スケジュール管理などは複雑で手間がかかるため、専門的なサポートが必要になることもあります。そうした際は、REIGETSUのようなイベント代行サービスを活用することで、効率的かつ効果的なアーカイブ配信が可能になります。
アーカイブ配信を活用してイベントの価値を最大限に引き出し、ビジネスの成果につなげるために、ぜひ専門サービスの活用も検討してみてください。


ライター 藤花しおん
金融、美容、旅行、グルメなど多分野で執筆。2016年からエンタメ系オウンドメディアに編集者として従事。